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赤身肉と動物性脂肪をがん患者さんが避けた方がよい理由

 
 

牛肉は?豚肉は?

生クリームは?チーズは?バターは?
 
糖質制限的にはOKなこれらの食材ですが、
 
よく赤身肉や乳製品はがん患者さんは避けるうにと言われますが、なぜなのでしょう。
 
 
人間は、自分がよいと思っていたものが否定されると、つい無意識に自分の説を支持する論文や意見を探し、行動変容の必要性を否定したくなるものですが、
 
それをまずは理解しておかないといけません。
 
その上で、冷静に客観的に事実を調べ
自分の頭で考えてみる作業は、とても重要です。
 
 
私の選択は、やはり避けた方がよい、でファイナルアンサーです。
 
 
理由について簡単に説明しますね。
 
 
 
がん細胞は他の細胞に比べて、硬いんです。
 
理由は二つあります。
 
 
エネルギーを得る過程で、細胞内乳酸の産生が亢進していることが一つ。
 
 
もう一つは、周りの細胞から受けるストレスに対して、自分で脂肪のバリケードを作り、ダメージを受けないようガードしているからです。
 
 
要するに、内も外も硬いということです。
 
 
赤身肉や動物性脂肪を避けた方がよい理由は、
この二つ目の理由の方と大きな関係があります。
 
 
脂肪のバリケード。
※難しい言葉では繊維芽細胞といいます。
 
 
あらゆる細胞膜は脂肪酸でできていますが、がん細胞は、飽和脂肪酸を自分で合成し、わざと細胞膜の構成比の中で飽和脂肪酸を一番多くし、バリアを硬くしています。
 
 
そこで更に飽和脂肪酸を多く摂取してしまいと、繊維芽細胞は更に飽和脂肪酸を取り込んで、がん細胞を守るバリアはますます硬くなってしまいます。
 
 
がんになったら、化学療法や放射線、温熱治療や免疫療法などありとあらゆる方法でがんを死滅させようとするものですが、
 
 
がんのバリアを崩さないとがん細胞まで届かず、意味がなくなってしまいます。
 
 
簡単に言うと、がん細胞は飽和脂肪酸が大好きなんだということです。
 
 
 
 
糖質制限でがんの栄養を断つだけではダメなんですね。
 
 

 

~飽和脂肪酸が多いもの〜
・牛肉 
(サーロイン リブロース バラ ランプ肉 小腸 テール、牛タン)
・豚肉
(バラ肉)
・鳥皮
・ラム肩肉
・生クリーム、バター、ホイップクリーム、マーガリン、ショートニング
・牛脂、ラード
・クリームチーズ、カマンベールチーズ、プロセスチーズ
・ウインナー、ベーコン、フランクフルト
・レバー

 

 

 

◆加工食品であるウインナーやベーコン、フランクフルトなどは、腸管ケアの面からも食べないほうがベターです。
 
 
 
◆特に乳製品はカゼインの問題と、IGF-1というがん増殖スイッチをONにする物質が多く含まれていることから、なるべく摂らないほうがベターです。
 
 
特にチーズ。
飽和脂肪酸の問題、カゼインタンパクの問題、IGF-1の問題。また、カルシウム比が高いこともあり、がん患者さんにはオススメできません。
 
 
◆鶏肉は、皮を外して食べましょう。
 
 
◆牛脂やラードは、避けましょう。
 
 
 
 
 
食べるものがない…と皆さん言われ、ガックリと肩を落とされますが、
 
 
 
 
細胞はほぼ100日で生まれ変わります。
 
新生児と同じくらいのスピードで増殖するがん細胞を、穏やかに細胞死に導きたいなら、
 
3カ月だけしっかり我慢して欲しいと、
その先の奇跡を信じている私としては、切に願います。
 
 
 
大事な事は治療と予防をしっかりわけることです。
 
がんをしっかり、観察することから戦術は練るべきだと思います。
 
 
食べたらダメ、と認識すると
気分が暗くなりますので。
 
少量を時々であれば、食べていい!に認識を変えましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
~諦めない医療に看護の力を~
私たちは、糖質制限を取り入れた食事治療で、真剣に自分の体と向き合いたい慢性期疾患の患者さんに寄り添う医療マネジメントサービス(看護)を提供しています。