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壊疽での下肢切断を決断する前に〜マゴットセラピー〜

 

どうしてこんなになるまで放っておいたんですか?

 
壊死して感染しているので、足を切断する必要があります、直ぐに手術が必要です。
 
 
 
そう医師に告げられ、頭が真っ白になってしまっている方にぜひお伝えしたい治療法があります。
 
 
 
マゴットセラピーです。
 
マゴットとは、うじ虫の事です。
 
 
感染、壊死した傷口に、小さな医療用無菌マゴットを放ち、逃げないように囲いを作って呼吸できる状態で育てます。
 
参照して下さい
 
 
 
マゴットは壊死部だけ食べ、育ちます。正常な細胞は食べません。
 
 
大きくなったら(週に二度)マゴットの入れ替えをして、古いマゴットは廃棄します。
 
 
マゴットは無菌だから、新たな感染の原因になることはありません。
 
 
この治療で、実際何人も足を切らずに済んだ方を知っています。
 
 
うじ虫と聞いて背中が寒くなり、拒否反応をされる方がほとんどだと思いますが、
 
 
これ、ほんとにいい治療です。
 
 
足を切るなんて冗談じゃない、
絶対切りたくない
 
 
そう思うなら、是非検討して下さい。
 
 
 
足を切らずに済むと言う、かなり大きなメリットはありますが、デメリットもあることはあります。
 
 
①もぞもぞする、かゆい
 
マゴットは生き物ですから、動くことによりその感覚が患者さんに伝わるようです。
糖尿病合併症の進行度によっては、分からないと言う方もいます。
 
②匂いがある
 
マゴットは無臭ですが、傷を解放しているため、創部の匂い、浸出液の匂いがあるのと、マゴットの排泄物の匂いも加わり、処置の時、特に不快な匂いが部屋に漂います。
 
匂い対策は必要です。
 
浸出液はオムツで創部をカバーをして受け止めます。オムツは毎日適宜取り替える必要があります。
 
③費用がかかる
 
マゴットはジャパンマゴットカンパニーから病院を通して購入します。
 
費用は、6回の治療分(約600匹)で約30万円だそうです。
 
保険は適用ではないので、自費になります。
 
その他、入院となるため、個室費用、食事費用などが必要です。
 
糖尿病の治療に関しては、保険適用になります。
高額医療を申請すれば、この分に関しては支払い額はぐっと減ります。
 
④入浴ができない
 
マゴット治療の期間中は入浴は出来ない事が多いです。頭を洗ったり、身体を拭いてもらったり、足を洗ってもらったり、排泄の介助をしてもらったり、看護師に身の回りの世話をしてもらう必要があります。
 
⑤個室になる
 
匂いの問題、マゴットがもしかしたら脱走するかもしれない問題があり、個室治療が原則となります。
 
マゴットは、生態系に影響があると困るため、治療が終わって取り出したら、かわいそうですが潰して殺した上で廃棄処分する必要があります。
 
 
 
 
これら全てのデメリットを差し引いても、マゴット治療は素晴らしいと思うし、是非もっと沢山の方に知っていただき、治療にチャレンジしてもらいたいと思います。
 
 
 
足を切らずに済んだ方を私は実際に何人も見ていますし、皆さん一様に、ほんとに喜んでいらっしゃいました。
 
 
 
 
知らずに医師の言うままに、足を切ってしまう方はかなり多いと思います。
 
 
マゴットセラピー
 
 
この治療法を取り入れて下さる病院が増えて頂けたらと思います。
 
取り扱っていない病院でも、ジャパンマゴットカンパニーの方が説明に来てくださったりするようです。
 
 
ナースも患者さんもすぐに慣れるから大丈夫です。
 
 
もう一つ良い点としては、マゴット治療をすると、珍しい治療をしているためか医師やナース、患者さんの間に妙な連帯感というか、仲間意識が生まれてくるんですよね。
 
 
患者さんも医療者が自分に凄く興味を持ってもらえる感覚って、悪くないと思うし、満足感の高い入院となるようですよ。
 
 
 
 
マゴット治療もっと知ってもらえて、普及しますように。
 
 
 
足を切らずに済む方が、もっと増えますように。
 
 
 
 
 
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