ケトン食を頑張ってやりさえすればがんは消えるのか。
答えはNoです。
これをはじめて知った時には凄い絶望感に襲われました。
嘘だと思いたくて、いっぱい調べましたが調べれば調べるほど、
ケトン食だけではがんは消せない理由がよくわかりました。
今日はこの事について記事にして見ようと思います。
①ケトン体「耐性」を獲得するがんがいる
抗生剤が耐性を獲得し、強くなることはご存知だと思います。
同じことがケトン体でも言え、ケトン体が高いことにがん細胞もそのうち対応してしまいます。
同じ食事治療を3ヶ月するな、と言う理由の一つです。
②ケトン体をATPにする酵素を沢山持っているがんがいる
ケトン体をエネルギーにするはBDHやOXCTといった酵素が必要。
がん種によりこの発現率が違います。
33のがん種でこのこの酵素の発現率を比較すると、
子宮頚がんや肺腺癌などはどちらの酵素の発現率が高く、
ケトン食が有効でない可能性を示しています。
面白いのは同じ肺がんでも大細胞がんはケトン食がよく効きそう。
すごく興味深いですね。
表は、左から
グリオーマ
膵臓がん
甲状腺がん
肝癌
腎がん
白血病
肺がん
大腸がん
前立腺がん
乳がん
卵巣がん
です。拡大して見てみて下さい。
③特定のアミノ酸を成長の糧とするがんがいる
PET- CTの記事で書きましたが、がん種により、
メチオニンや
グルタミン
などの取り込みが非常に亢進しているがんがいます。
メチオニンをよく取り込むのは、
脳腫瘍
グルタミンをよく取り込むのは
膵臓がん
大腸がん
これ、重要ですよね。
①②③の視点から考えてみたら、
がん細胞はブドウ糖しか栄養にできない、
と言うのはかなり怪しくなります。
ブドウ糖さえ断てば、がん細胞を兵糧攻めにできる、と言っている方、結構います
(私も昔はそう信じていました)
やはりがんは甘くみたらいけないのだと思います。
①から言えること
ケトン食するなら、3ヶ月の短期集中で徹底的にすべし
中途半端はがん細胞をかえって鍛えてしまう
②から言えること
少なくとも子宮頚がんと肺腺癌はケトン食をするのはリスクが高い
③から言えること
脳腫瘍はメチオニンも控えた方がいい
ex.かつお節やしらす干しなど
卵は、がん患者さんは沢山食べすぎない方がいい
膵臓がん、大腸がんはグルタミンも控えた方がいい
ex.ブタのゼラチンなど
逆に言えば、
がん種によってはかなり、ケトン食が著効するとも考えられます。
こういうがん種に対しては、
ケトン食が保険適用になるといいですよね。
GAGAでした。
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